基数木(Radix Tree)

基数木(Radix Tree)は、トライ木(Trie)を改良したデータ構造であり、文字列や数値などのキーを効率的に格納・検索するために用いられます。トライ木と比較して、メモリ使用量を削減し、検索性能を向上させることを目的としています。

基数木の特徴

  • 接頭辞の共有: 共通の接頭辞を持つキーを効率的に格納します。これにより、メモリ使用量を削減し、検索時間を短縮できます。
  • ノードの圧縮: 子ノードが1つしかないノードを圧縮することで、メモリ使用量を削減します。
  • 高速な検索: キーの検索は、接頭辞を共有している部分をスキップできるため、高速に実行できます。

基数木の構造

基数木の各ノードは、以下の要素を持ちます。

  • ラベル: ノードに対応するキーの接頭辞を表します。
  • 子ノードへのポインタ: 子ノードへのポインタを格納します。

基数木の利点

  • 効率的なメモリ使用: 接頭辞の共有とノードの圧縮により、メモリ使用量を削減できます。
  • 高速な検索: 接頭辞を共有している部分をスキップできるため、検索時間を短縮できます。
  • 範囲検索の効率化: 接頭辞を共有しているキーをまとめて取得できるため、範囲検索を効率的に実行できます。

基数木の欠点

  • 複雑な実装: トライ木と比較して、実装が複雑になります。
  • キーの分布による性能変動: キーの分布によっては、性能が低下する場合があります。

基数木の応用例

  • IPルーティング: IPアドレスのルーティングテーブルを格納するために使用されます。
  • 辞書: 単語の辞書を格納するために使用されます。
  • データベースのインデックス: データベースのインデックスを格納するために使用されます。
  • ファイルシステムのディレクトリ構造: ファイルシステムのディレクトリ構造を格納するために使用されます。

基数木は、文字列や数値などのキーを効率的に格納・検索するためのデータ構造であり、様々な分野で応用されています。トライ木と比較して、メモリ使用量と検索性能の面で優れていますが、実装が複雑になるという欠点もあります。