構成管理とは、ITサービスを提供するために必要な、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、データなどの構成要素を、そのライフサイクル全体を通して管理するプロセスです。
システムの安定稼働、変更管理の効率化、障害発生時の迅速な対応などを実現し、高品質なITサービスを提供するために重要な役割を担います。
構成管理の対象
構成管理の対象となる構成要素は多岐に渡り、「構成アイテム(CI: Configuration Item)」と呼ばれます。
具体的には、以下のようなものが挙げられます。
- ハードウェア:サーバー、PC、ネットワーク機器、周辺機器など
- ソフトウェア:OS、ミドルウェア、アプリケーション、データベースなど
- ネットワーク:ルーター、スイッチ、ファイアウォール、VPNなど
- データ:設定ファイル、ドキュメント、ソースコードなど
構成管理の内容
構成管理では、以下の様な activities を行います。
- 識別: 構成アイテムを明確に識別し、一意に識別するためのIDなどを付与します。
- 管理: 構成アイテムの属性情報(名称、バージョン、設置場所、担当者など)を記録・管理します。
- 状態管理: 構成アイテムの状態(稼働中、停止中、故障など)を監視・管理します。
- 依存関係管理: 構成アイテム間の依存関係を把握し、影響範囲を分析します。 変更管理: 構成アイテムの変更を計画・承認・実施・検証し、変更履歴を管理します。
- バージョン管理: 構成アイテムのバージョンを管理し、必要に応じて以前のバージョンに戻せるようにします。
- 構成 audit: 定期的に構成アイテムの状態を audit し、設定の整合性などを確認します。
構成管理は、ITサービスの品質向上、安定稼働、そしてセキュリティ強化に不可欠な要素です。組織は、構成管理を適切に行うことで、ITシステムを効率的に運用し、ビジネス目標達成に貢献することができます。