RNN(再帰型ニューラルネットワーク)とは、Recurrent Neural Networkの略で、ニューラルネットワークの一種であり、特に時系列データやシーケンスデータの処理に特化したモデルのことです。再帰型ニューラルネットワークと訳されます。
RNNの特徴
- 過去の情報を記憶: RNNは、過去の入力情報を内部に「記憶」することができる点が大きな特徴です。この記憶機能により、時系列データの依存関係を捉え、より正確な予測や生成が可能になります。
- 時系列データへの適用: 株価の変動、自然言語、音声認識など、時間の経過とともに変化するデータの解析に適しています。
- 多様なタスクへの応用: 言語モデル、機械翻訳、音声認識、画像キャプション生成など、幅広い分野で活用されています。
RNNの仕組み
RNNは、ニューロンが環状に接続された構造をしています。この構造により、過去の情報が次の時刻の計算に影響を与える仕組みになっています。
- 隠れ層: 過去の情報を記憶する部分です。
- 出力層: 最終的な出力(予測値など)を生成する部分です。
RNNの課題と発展
- 長期依存問題: 過去の遠方の情報が現在の出力に与える影響が小さくなってしまう問題があります。
- 勾配消失問題: ネットワークが深くなるにつれて、勾配が小さくなり学習が困難になる問題があります。
これらの課題を解決するために、LSTM(Long Short-Term Memory)やGRU(Gated Recurrent Unit)などの改良されたRNNが提案されています。
RNNの活用例
RNNは、時系列データやシーケンスデータを扱う上で非常に強力なツールです。過去の情報を活用することで、複雑なパターンを学習し、高精度な予測や生成を実現できます。