回帰モデルは、ある事象(目的変数)と、それに影響を与えると考えられる他の事象(説明変数)との間の関係性を数式で表す統計学的なモデルです。特に、説明変数の値から目的変数の値を予測する際に用いられます。
例えば、家の価格を予測するモデルでは、家の広さ、築年数、駅からの距離などが説明変数となり、家の価格が目的変数となります。回帰モデルは、これらの変数間の関係性を分析し、新しいデータ(例えば、広さや築年数が異なる家)に対して、その家の価格を予測することを可能にします。
線形回帰モデル
線形回帰モデルは、説明変数と目的変数の関係が直線的な関係にあると仮定するモデルです。数式で表すと、以下のようになります。
y = a + bx
- y: 目的変数
- x: 説明変数
- a: 切片
- b: 傾き
このモデルは、シンプルでありながら、多くの現象を説明できるため、最も基本的な回帰モデルの一つです。
非線形回帰モデル
非線形回帰モデルは、説明変数と目的変数の関係が曲線的な関係にあると仮定するモデルです。線形回帰モデルでは表現できない複雑な関係性を捉えることができます。
例えば、ある商品の売上と広告費の関係が、広告費が一定額を超えると、売上増加率が鈍化するようなケースが考えられます。このような非線形な関係をモデル化するために、多項式関数、指数関数、対数関数など、様々な非線形関数が用いられます。
線形回帰と非線形回帰の使い分け
どちらのモデルを用いるかは、データの特性や分析の目的によって異なります。
- 線形回帰: データが直線的な関係を示す場合、解釈が容易であり、計算も比較的簡単であるため、まず線形回帰から試してみるのが一般的です。
- 非線形回帰: データが明らかに非線形な関係を示す場合、非線形回帰を用いる必要があります。ただし、モデルが複雑になるため、過学習のリスクが高まる点には注意が必要です。
回帰モデルは、データから有用な情報を引き出し、予測を行うための強力なツールです。線形回帰と非線形回帰は、それぞれ異なる特徴を持っており、適切なモデルを選択することで、より正確な予測が可能になります。